おまけ5:心理戦基礎

ちょっと心理戦になりそうな場面についての解説でも書いておきます。正直、PTの心理についての描写は今の私には難しいことなので、あまり深くまでは突っ込めません;なので、名前のとおり基礎的なことしか書きませんし、それしか書けません(駄 また、「どちらも勝つために対戦する」ということを前提条件とします。

メタg

メタの変動要素は次の2つです

  1. 昔に流行っていた戦術に対して、強い戦術が台等する
  2. 誰かの宣伝により、突発的にある戦術が流行る

変動要素が、1だけならある程度はメタは予測可能だと思います。しかし、変動要素に2も絡んでくるとなると、「誰が、どんな情報を流すか」ということは全く判らないため、メタは予測不能なものとなります。なので、メタに対応したいのなら、基本的には現在のメタに行き当たりばったりで対応していくしなかいです。

ただ、メタに対して影響力を持てる方なら、2の変動要素を利用することができます。例えば、「サイトで『○○が強いですよ』と言う→○○が流行る→自分は○○に強い戦術を使う」といった具合でしょうか。

1の要素もあるし、他の方も同じようなことを考える可能性もあるし、全ての方に影響が出るとも考えられないし、各個人で解釈の違いが出てくることもあるので、完全にメタをコントロールすることはまず不可能でしょう。

大会メタg(パ変更自由)

パの変更が自由にできる大会では、様々なメタg関連の戦術を用いることが出来ます。

まず、複数のパを使えることにより、各パに様々な役割を持たせることが出来ます。 具体的には、どんなパにもある程度対応した万能パから、ある戦術の対策に特化したキラパに近い物まで、色々と用意することができます。キラパに近くすればするほど、対策したパに対する勝率は高くなりますが、その分それ以外のパに対しては弱いので、ハイリスクハイリターンです。基本的には、様子見の時は万能パ、相手の出してくるパが大体分かりそうな時はキラパに近い物を用意すれば良いでしょう。しかし、ここで注意したいのが、ずっと同じパを使っていると、いつかキラパを出されかねないということです。なので、ずっと様子見をしたい時でも、ずっと同じパを使うのは極力避け、またそのために万能パもいくつか用意すると良いでしょう。

次に、初戦について。初戦では、ポケ選の地点までは、相手の名前しか情報が与えられていません。そこで、名前を使った戦術を使うことが可能です。例えば、大会で▲▲という名前を使って、相手が「▲▲さんは◎◎を使ってくる人だ」と思っているのなら、相手は◎◎に強いパを使ってくる可能性が高いので、それを逆手に取り、◎◎に強いパに強いパを使うことで、初戦を有利に戦うことが可能だと考えられます。(勿論、逆読みされることも考えられるのですが。)また、これより少し防御的な戦略で、普段使わないようなHN(捨てハン)を使用することで、相手にどんなパを使うかということを判らなくして、初めからキラパを出されたりすることを避けることが出来ます。

そして、2戦目以降。2戦目以降は、相手の名前の他に、それまでに相手が使用したパとPTの判断能力の情報も入ってきます。その情報を利用して、キラパを用意したり、キラパが来る事を予想してそのキラパを用意したり、そこまで強く無さそうな相手にはとりあえず万能パを出したりする等、様々な戦術が使用できると考えられます。また、前に使ったパに技変更だけを加えて、相手に前と同じパだと思わせ、それを利用し奇襲を仕掛けることも可能でしょう。

大会メタg(パ変更禁止)

パ変更禁止の場合は、複数のパを使うことが出来ないので、パ変更自由の時のような戦術は使えません。(ただし、名前を使った心理戦は仕掛けられます)

1つのパしか使うことができないので、優勝までにあたるパに対してだけ対応できるようなパを出すことが理想です。しかし、「大会で優勝するまでにあたるパ」を予想することは非常に難しいです。なので、実際には万能パに近いようなパを用意することになると思います。ただ、「優勝までにあたるパに対してだけ対応できるようなパを出すことが理想」って地点で極端なキラパは恐らく出てこないので、極端なキラパへの対策は考えなくても良いでしょう。

ポケ選での相手が出してくるポケ読み

ここでは、相手のポケ6匹に極力対応できるようにするように行動することが安定行動となります。ただ、読みで対応するポケを減らしていく(最小3匹)ことで、安定行動を取った時と比べて対応するポケに対する対応力が高まります。しかし、読み違えて、対応しないポケが出てきてしまうと悲惨なことになるため、ハイリスクハイリターンとなります。対応するポケを3匹に近づけていけばいくほど、ハイリスクハイリターンな性格が強まります。

安定行動では不利になりそうな時は、対応するポケを減らす(ハイリスクハイリターンな選択をする)ことで、イーブン以上の状態に近くなるか、素(=有利な側が安定行動を取った時)で不利な側が読み違えるか若しくは有利な側が(有利な状態を保とうとして)相手が出してくるポケを読む(→相手が安定行動を取れなくなる)かのどれかとなります。つまり、自分の読みの技術が高く、素で読み違えない場合、イーブン以上の状態に近くなるか読みgになるかのどちらかになるので、自分が不利なときに読むのはかなり有効な手段となると言えます。ただし、上は不利な側のパの決定力が保証されている場合。そうでない時は、有利な側が安定行動を取った瞬間に不利な側が決定力を出せなくなり、不利な側は相手がミスしたりしない限りは勝てなくなることがあります。

ポケの型読み

読む対象のポケが持てる全ての型を考え、どんな型であっても対処できるようにすることが安定行動となります。ある地点で与えられている情報(ポケとか、ポケの性別・レベルとか。対戦中に読む場合は、相手が出してきた技・使われた持ち物・HP等のステータスも参考になる)を元に、「××のポケは△△な型だろうなぁ」と読むのがハイリスクハイリターンな選択です。狭く読めば読む(最も狭く読むと、予想される型は1つの型にまとまる)ほど、ハイリスクハイリターンな性格が強まります。

その他の説明は、「ポケ選での相手が出してくるポケ読み」での読みと同じ。

奇襲的な型のポケの使用

(ここで言う「奇襲的な型」は、相手が「ポケの型読み」をした際に、相手が考えもしなかったような型のポケを使い相手を崩せるような型を指す。普通、単に「奇襲」と言われる時は、上のような意味で使われることが多いように思う。)

奇襲的な型は、相手の「ポケの型読み」を利用する型であるため、安定行動を取れないようにしないと機能しません。なので、最低でも決定力が出せるように見せる、できれば相手を不利だと思い込ませるようにしなければなりません。

また、「奇襲的な型」は次の2つに分けられるでしょう。

  1. 相手にその型を知られてはいるが、読む地点で「これはないだろうなぁ」と思うような型(⇒理論上、効率が悪い型を使うとき等)
  2. その地点で相手に知られていない(有名ではない)型(⇒理論上、効率が良いけどあまり知られていない型を使うとき等)

1で、理論上、効率が悪い型を使う場合は、相手の「ポケの型読み」を利用して戦わない時に、効率が良い型を使っている時に比べて劣ってしまうので注意。

2で、理論上、効率が良いけどあまり知られていない型を使う場合は、その内相手にその型を知られてしまうので、時間がたつにつれ相手の「ポケの型読み」を利用することが難しくなり、勝率も下がるでしょう。

対戦中の読み

(ここで言う「対戦中」とは、双方共に3匹を選んで、ターンが進み始めた時のことを指す)

対戦中、そのまま双方が安定行動を取り続けると負けてしまう方(対戦者Aとする) は、読みを用いて逆転を図ります。Aが読んで、もう片方(対戦者Bとする)が安定行動をとった場合、今度はBが負けてしまう場合があります。そして、その場合、結局双方ともどこかで読む必要が出てきてしまいます。ここで、上で言う「その場合」は、「双方共に決定力が出せる場合」と同じです。なぜなら、どちらかが決定力を出せない場合は、決定力が出せる側は読みを使わなくても負けないからです。(ただし、運要素を考えた場合、「双方が安定行動を取り続けると負けてしまう方」が確定、若しくは確定していると考えることができなくなる可能性があります)

また、「対戦中の読み」は、双方の勝ち負けが決まるまでに行われる読みの中で、 最も最後に使われる読みです。なので、どちらも決定力が出せ、「双方が安定行動を取り続けると負けてしまう方」が確定、若しくは確定していると考えられる状況ならば、対戦中でお互いが読まなければならないような状況にここで必ず陥るということです。

私は、双方共に読んでいる場合を「読み合い」と表現し、このように、必ず「読み合い」が生じる状況を、私は「強制読み合い」と表現します。(ちなみに、過去に私が提示した「読み合い」の定義とは微妙に違うので注意。)勿論、「強制読み合い」で勝てる確率は、必ずしも双方等しいわけではないので、「構築は、決定力さえだせればあとはどうでもいい」ってわけでは無いです。

更に、「強制読み合い」ができる状況では、「奇襲的な型のポケ」を利用できない場合、双方の選択肢は極めて明確になります。そこで、本来心理戦であるはずの「読み」を、「運勝負」に置き換えることが上の場合ではしやすくなります。この「読みを運勝負に置き換える」方法として、「ランダム戦略」という方法があります。「ランダム戦略」の解説は「読み合いの博打性と対抗策についての考察」(Re-紙パ等解説・研究所2)を参照にってことで。

PTの判断ミス

微妙に心理戦とは違う気がするのですが、心理戦と同じく理論を狂わせる要素の一つであるので、ここに書いておきます。

基本的に、この判断ミスは知識不足と、ケアレスミスによって生じます。前者は、ある型や戦術を知らないために起こるミス等で、基本的には知識が足りない初心者に起こりがちです。しかし、「奇襲」の所でも書いたとおり、有名でない型を使われた時は、慣れた方でもこの類のミスをすることがあります。後者は完全に注意力の問題で、具体的には詰める所なのに詰まなかった、相手のあるポケに注意が向かなかった(故意に対策をしなかったのとは違う)等のミスがあります。恐らく、「レベルやメンバーの編成等で取り巻きを目立たせ、決定力を出すポケを目立たなくする」等の方法で、この類のミスを誘発させることは可能だと思います。(上の例だと、「決定力を出すポケに対して無警戒になってしまう」というミスを誘発させられる)

これにより、実際の対戦では脳内の対戦通りに進まないことが良くあり、「理論上では負けないはずなのに、負けてしまう」といったことも生じてきます。なので、ミスをミスだとわからないようだと、実戦から理論を詰めていくことは不可能に近いです。

ちなみに、これらのミスは、ダメージ計算ツールを使う時間が無かったり、考える時間が持てなかったりする時間制限戦に起こりやすいです。(ていうか、私にとって40秒は短すぎですょ;)

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