おまけ1:最近速攻パ多くない?(完成版)

なんか、最近(2005年2月ごろ)、やたら速攻パが多いんだけど;

速攻力は過去に安定性に負けており(過去の受け重視の役割理論の台等にそれが現れている)、私も「安定性>速攻力」という論を唱えたのですが、それにもかかわらず速攻パが多くなってるんですよね。

「安定性>速攻力」の根拠は「役割理論補足・パの組み方」(Re-紙パ等解説・研究所2)に書きました。「役割理論補足・パの組み方」では、「相手よりも先に決定力を出す力は安定性にも速攻力にもある(サイトの説明ではこれを十分に伝え切れていなかったかもしれません、失礼;)が、運g読みgを避ける力は安定性にしかない」という理由を出していて、安定性の運g読みgを避ける力は結局「決定力の保証が為されていない相手に決定力を出させるのを防ぐ」と「速攻力を削ぎ落とされたり、ミス(読み負け含む)をしたり、不運に見舞われたりしてもある程度は立て直しがきく(誤魔化せる)」という安定性の持っている特性に寄るんですよね。

ところが、今はどのパも決定力の保証がなされていて、安定性の運g読みgを避ける力の源の一つである「決定力の保証が為されていない相手に決定力を出させるのを防ぐ」という特性が消えつつあります。(役割理論が台等した頃は、「決定力の保証」は殆ど意識されていませんでした)だから、安定性の地位が下がりつつあり、それに伴い速攻パが増加しつつあるのだと思われます。

そして、この問題をもう少し突き詰めていくと、「安定性の意義が薄れつつあるんだけど、正確には回復技による『受け』の意義が薄れつつあるのではないのだろうか」ということになるんですよね。「速攻力を削ぎ落とされたり、ミス(読み負け含む)をしたり、不運に見舞われたりしてもある程度は立て直しがきく(誤魔化せる)」という特性は、別に回復技が無くてもある程度は得られるんですよね。

↓念のため検証(「役割理論補足・パの組み方」の「安定性」参照)↓

1、「潰し」と、「潰し」が相手に潰されないようにするために補助技を使う「補佐」を入れる。
「リキー+リフや甘えるや泣き声を使うポケ×2でカビ対策をする」ということに代表されるように、これは一種の「釘付け」。 (「釘付け」の攻撃技の部分が補助技に変わっただけ) めんどくさいから「釘付け」参照。
2、寝言や電磁波再生等で強引に相手の攻撃を止めるための「誤魔化し」を入れる。
回復技使ってるから問題外。 と思ったけど、「対55ガラを50眠る無し黄金パルで誤魔化す」という例もあるんですよね。つーか、「誤魔化し」とか定義が曖昧過ぎる;(駄
3、特定のポケを潰せるポケだけを入れることにより、特定のポケが出てこれないようにする。(これは「釘付け」と呼ばれることが多く、私もこの造語を使用する)誤魔化しと併用することが多い。
回復技があるに越したことはありませんが、攻撃技さえあれば良いので別に回復技が無くてもこれは使えます。対策をするポケよりも早く、対策をするポケを簡単に潰すポケを三体入れることが出来れば、その対策をするポケはそう簡単には出てこれません。(極力タイマンで勝てるポケを揃えるべき。出来れば「誤魔化し」ぐらいは欲しい。決してこの「釘付け」を過信しないこと)たとえ、その対策をするポケが必死に一匹を倒したとしても、二匹目三匹目と続けて倒されることはまず出来ません。
4、(対昆布専用)昆布るポケに対する封じ(受け、誤魔化し)を2匹入れる。
これは「受け」の応用かな。もしかしたら、「釘付け」の一種と捉えることも出来るかもしれない。ちなみに、対昆布パは別にここまでしなくても、「釘付け」や「補佐潰し」等でも十分対応できます。
5、(対昆布専用)スピンが使えるポケを入れる。相手の撒き役が冷Bパルやめざ虫フォレで無い場合は、4と5を組み合わせることにより昆布による決定力を完全に削ぎ落とすことが出来ます。
スピンさえあれば撒きびしは消せるので、回復技は必要無いです。ただ、スピンするターンに、相手の撒き役が爆破以外の攻撃をしてくることもあるので、極力回復技(眠るだと眠ってる間に撒かれるので、再生系推奨)は欲しいです。爆破してくる時は、爆破される前にスピンしてしまえば撒きびしは残りません。ただ、撒きポケよりも遅い場合は、がんばって避けて下さい(何
6、状態異常技を使う(例えば、眠らせ技を使えば相手の一匹のポケを一時的に無力化することができるし、麻痺技を使えば釘付けや誤魔化しが容易になるし、毒毒を使えば間接的に相手を眠り状態に追い込んだり、自己再生系ポケを追い出すことができる)。ただし、眠ることで回復する状態異常技や眠らせ技を使う時は、相手に寝言ポケが居た場合、効果が薄くなったり無くなったりする(特に、眠らせ技を使う場合はこれが顕著に現れる)
考えるまでもなく回復技いらないです(何
7、(対状態異常専用)状態異常技対策の技や持ち物を入れる。状態異常技は、放置しておくと安定性の低下に繋がります(特に、何も出来なくなってしまう眠らせ技 は)。なので、ねむねごや神秘の守り、各種の実は欲しいところです。
回復技、というよりねむねごは欲しいところですが、各種実や神秘の守りでも数ターンはしのげます。ちなみに、眠らせ技の対策のみで良いなら、単体寝言という手もアリかもしれません。

↑検証↑

ところが、「決定力の保証が為されていない相手に決定力を出させるのを防ぐ」という特性は、「受け」という概念を使わないと、つまり回復技を使わないと得られません。回復しないと、いつかは倒されてしまいますからね。(これについては、ゴールドさんの「パーティ構築理論 - 防御力」(Pokemon Battle Victoryroad)を参照で。基本的なことなので、今更読む必要も無いかもしれませんが)

まとめると、「決定力の保証が為されていない相手に決定力を出させるのを防ぐ」という特性は回復技を使わないと得られませんが、「速攻力を削ぎ落とされたり、ミス(読み負け含む)をしたり、不運に見舞われたりしてもある程度は立て直しがきく(誤魔化せる)」という特性は攻撃技等の回復技以外の手段でもある程度は得られるということになります。

つまり、「安定性」において、回復技の存在意義は「決定力の保証が為されていない相手に決定力を出させるのを防ぐ」という特性を得られる所にかなりの比率で依存し、 この特性が失われつつある(必要無くなりつつある)となると、回復技の存在意義も薄れ、逆に攻撃技等の存在意義は薄れないので、「やたらと回復技を入れるよりも、速攻力も上げやすくなる攻撃技等を多く入れる方が良いのでは」と考える方が増えてきます。

以上が、最近の「速攻パ多すぎねぇか?」という傾向の真相だと思いました。「攻撃力」を「決定力」と「速攻力」に分けたように、「安定性」も2つに分けて考えるべきなのかもしれません。

というわけで、「安定性」を以下のように2つに分けて定義し直してみます。

「受け性能」
「決定力の保証が為されていない相手に決定力を出させるのを防ぐ」という類の「安定性」(=「受け」)
「耐久性」
「速攻力を削ぎ落とされたり、ミス(読み負け含む)をしたり、不運に見舞われたりしてもある程度は立て直しがきく(誤魔化せる)」という類の「安定性」

そして、この2つに従来の「決定力」と「速攻力」を加え、この4つの優劣をつけてみます。まず、確定負けを避けるという理由で

決定力>耐久性、速攻力

次に、運g読みgを避けるという理由で

決定力>耐久性≧速攻力
(耐久性が足りないと、少しのことですぐに崩されるため)

となります。(ただし、「運g読みgになっても、その結果高い勝率が出せるのなら強い」「補佐潰しとかも、急所ですぐ死ぬ」という反論もできるので、「耐久性≧速攻力」の信憑性は低いかもしれない。正直、≒ぐらいの認識でも良いかもしれない)

ここで厄介なのは、「受け性能」の価値がメタによって可変することです。(ちなみに、他の3要素がメタで動くことは今のところ考えにくいです。「受け性能」がメタで可変する原因は、その概念を消す「決定力の保証」という概念があるからで、他にこのような概念は発見されていないので。)皆のパの決定力が異様に低い場合は、毎回受けることが殆ど可能になるため、殆どの試合でPP戦による決定力を用いることができます。 PP戦による決定力を発生させる第一条件は、相手の攻撃を受けることなので、この場合「受け性能」は「決定力」と殆ど同価値の扱いとなります。また、それに加えてこちらがPP戦に持ち込まなくても「決定力」が出せる場合、相手が確定負けを避けられなくなります。(この場合、「確定負けに関連している」という理由で、「受け性能は決定力とほぼ同価値」ということにしておきます。)逆に、皆のパの決定力が保証されている場合、受けることは不可能になり、「受け」という概念自体が無くなるも同然の状態になります。

つまり、「決定力>耐久性≧速攻力」を基本とし、「受け性能」は「決定力≒受け性能」から「速攻力>受け性能(というか概念が無くなる)」の間をメタによって動くということになります。(ちなみに、1回1回の対戦を考えた場合、「受け」が可能か不可能かの2通りしかないので、「決定力≒受け性能」か「速攻力>受け性能」となる)

この4要素で今までの対戦の流れを考察してみると

フルアタや眠る薄荷が多い速攻力重視時代(耐久性まで考えられていたかどうかは不明)

寝言、そして役割理論が台等してきた受け性能重視時代

つい最近の決定力重視時代(フルアタガラ+カビが流行りだす頃から急速的にこの流れが強くなる)

決定力の保証により受け性能の価値低下、耐久性と速攻力が受け性能を上回る時代

うん、歴史的にはちゃんと証明されている。

昔(「決定力>安定性≧速攻力」を発表した直後)、赤ヘルさんあたりが「安定性の価値もう少し上げるべきだ」みたいなこと言ってたけど、今考えるとそれもあながち間違いじゃなかったってことなのかな。確かに、皆のパの決定力が異様に低い場合を考えると、「受け性能」は「決定力」とほぼ同価値になるし。そう言われたのにもかかわらず、間違いに全く気がつけなかったのは当時の対戦状況(一部の方が決定力の保証を意識している状況。多分、当時は感覚的に「受け性能=耐久性」ぐらいの感じだったと思います)が関係してるのかな。(ちなみに、私は理論が間違ってるか合っているかを、実戦を通して勘で判断してます。まぁ、数学でいう所の「検算(方程式を解いた後、確かめるためにX=1を代入してみるとか)」をするみたいな感覚かな)で、対戦状況が変わってきて、一部の実力者が受けぬるぽになっていって、初めて今回のことがわかったって感じでしょうか。

つーか、今までの知識で速攻パ増加について考察するつもりが、いつの間にか研究になってる;ここまで大変なことになるとは思わなかった(駄

余談1・メタgを考えない2000最終結論訂正

「決定力>耐久性≧速攻力」、「受け性能」は可変。そして、どんなパにも対応できるようにする。

以上の条件を満たしたパが、「カビガラ7(カビガラ5Cの改良版)」だったりします。 決定力の保証は大丈夫だし、「耐久性≧速攻力」も守られてるし。それに、「決定力が低いパが流行ったら受けれるし、そうでないなら耐久性を生かしてやり過ごせる」という感じなので、「受け性能」の価値が可変しても大丈夫だし。

で、ここで問題なのは「決定力が低いパが流行ったら受けれるし、そうでないなら耐久性を生かしてやり過ごせる」という考え。確かに、メタに踊らされなくても済むこの考えは正しいです。しかし、「メタの影響を受ける『受け』なんてもうイラネ。こんなの考えるぐらいなら耐久性と速攻力増やせ」と考えることも出来るわけで。その考えで構築したのが、「2000FC-RSedition」というパなわけで。

しかも、この2つの考えを混ぜることも可能なわけで、その混合比も自由自在。(というか、混ぜざるを得ない気がしますが。)つまり、「メタgを考えない2000最終結論」ですら今の技術では1つに絞ることは出来ないということ。ただ、煮詰めているうちにもしかしたら最適な混合比が判るかもしれない。ちなみに、前者の考えを強くすると決定力の低いパが流行った時に強くなり、後者だとその逆になると思われる

ここで終わらすのもアレなので、とりあえず最適の混合比の仮説みたいなものを書いてみる。とりあえず、個人的には0対1(こんなの実際無理ぽですが)みたいな感じで構築するのが良いかな、と思ってみたり。前者の考えだと、受けれる時は強いけど、そうでない時はあまり強くない。そして、この強いときとそうでない時の落差が激しいのである。しかし、後者の考えでは、メタgで価値が大きく可変する「受け」を放置しているため、その差は小さい。以上が、この仮説の根拠です。

補足(5/16)

別の視点から見ても、「受け性能」を放置しても良い理由が見当たります。

ポケは、相手に崩される前にこちらが崩してしまうことで勝つことができるゲームで す。なので、こちらが相手を崩すまでに相手の攻撃を耐えていればそれで十分で、「受け」等で半永久的に耐える必要はありません。つまり、相手の攻撃を半永久的に耐えることを狙って、「受け性能」を追求する必要はなくなるということになります。

ただ、勿論「受け性能」が高いのに越したことは無いのですが。

余談2・「受けぬるぽ」環境疑似体験

「受け」が通用しない環境下での理論や立ち回りを研究したいと思った時は、「受け」が通用することがある2000ルールで研究するよりも、他のルールで研究を進める方が効率が良いかもしれません。私は、そのような理論を作る上での参考に、RSシングルの理論(全体論的な物に限る)を探したことがありますが、実際にそれが役に立ったりしてますし。(特に、「受けきれないポケ多し→決定力の高いポケに役割を与えないことを重視」といった内容の「RS潰し理論」とも言うべき理論は役に立ちました)

ここで、RSをプレイすることを薦めたいのですが、2000を専門としている方の中には、私のように「基礎知識も何も無くて、今からやるには時間がかかりすぎる」と言いたい方も多いかと思います。なので、金銀の別のルールをプレイすることを薦めます。候補としては、リトル、金銀イエロー、金銀ファンシー等があるでしょうか。

余談3・「受け性能」の補足(4/4)

書き忘れましたが、実は「釘付け」でも「受け」と同じように(PPや理不尽な急所を考えなければ)永久的に相手が決定力を出すのを防げる場合があります。相手が釘付けされる可能性があることを意識していない(無償光臨することを意識していない)場合に、それが起こります。例を出すと、こちらが53冷Bポリ2、波雷☆、ギガドレイン梨(この3匹は自己再生系回復技持ち)で、相手が55地震雪崩めざ飛剣舞ガラ、サイキネ鈴リフタマゴ生みハピ、無道(毒無し)の場合、相手のガラは出してもすぐにやられてしまうため、永久的(PPを考えない場合)に決定力を出されるのを防ぐことが出来ます。つまり、「釘付け」で「受け」と同じような効果が出せることがあるということで、ある意味「釘付け」も「受け性能」を上げるための手段と言えます。

勿論、上のことを考慮しても、「決定力の保証により受け性能の価値が低下することがある」ということは変わりませんが。

ここで、勘違いしてはいけないのは、「受け性能の価値が下がった場合、回復技を用いる『受け』だけでなく、攻撃技等を用いる『釘付け』の価値も下がるから、相対的に回復技の価値は下がらない」ということにはならないことです。「受け性能」が猛威を振るう時代から、「受け性能」の概念が消されかける時代に移行した場合、「安定性」を出す手段は次のように移行します。

「受け性能」が猛威を振るう時代
・・・回復技を用いる「受け」中心で、攻撃技等を用いる「釘付け」も使える。

「受け性能」の概念が消されかける時代
・・・攻撃技等を用いる「釘付け」、補助技+攻撃技を用いる「補佐潰し」、「誤魔化し」等中心(「誤魔化し」は用いる技がいまいち不透明。エレブー誤魔化しの寝言ヘラの例もあれば、ガラ誤魔化しの眠る無し黄金パルの例もあるし、雷電気誤魔化しの低レベ眠る薄荷爆破カビの例もある。まぁ、様々な技を用いるってことで)

このように、回復技が必須となる手段が相当減るため、「回復技の価値は下がり、回復技が減り、速攻gに見えてくる」と言うことができるでしょう。(というか、速攻gに見えてくる一番の原因は回復技が減ることにあるのではなくて、『受け』が通用しなくなること自体にあるのかも。「『受け』が通用しなくなるから、回復技の価値が下がり、回復技が減る」って言っても、誤魔化しに使う場合もあるし、対策するポケに対して常にこちらのあるポケをタイマンで勝てる状態にして釘付け効率を上げる場合にも使うから、そこまで著しく価値が下がるわけでもないし)

余談4・「四大元素」関連表(5/16)

 「確定負け」に関連する「速度」に関連する
攻撃的意味決定力(※1)速攻力
防御的意味受け性能(※1)耐久性(※2)
※1
決定力は、「自分の確定負けを防ぐ力の高さ(高ければ、自分の確定負けを防ぎやすくなる)」、受け性能は「相手を確定負けさせる力の高さ(高ければ、相手を確定負けさせやすくなる)」と表現することもできる。
※2
「速攻力を削ぎ落とされたり、ミス(読み負け含む)をしたり、 不運に見舞われたりしてもある程度は立て直しがきく(誤魔化せる)」という類の「安定性」が「耐久性」だが、これは「相手の決定力を出すスピードを削り落とす力の高さ」と同じ意味である。なかなか崩されないパを使うと、ミスや不運に関する許容範囲が増えるため、これは同じ意味になる。

ただし、この表は、攻撃的か防御的か、「確定負け」に関連するか「速度」に関連するかという意味で分類をしてみただけなので、それ以上の意味は持っていません。

訂正(4/4)

心理戦の研究をしていて気づきましたが、「安定性」や「耐久性」の効果を「運g読みgを避ける」と説明してしまうのは間違いですね。 「受け性能」には運g読みgを避ける効果があり(相手が決定力を出せない状況なら、読まなくても勝てるので。運gについては、理不尽な連続急所等の例外がある場合があります)、「耐久性」と「速攻力」には運g読みgで勝てる確率を上げる効果があるって言った方が正しいですね。 なので、決定力、耐久性、速攻力の優先順位も「決定力>耐久性=速攻力」と変更した方が良いですかね。

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